蟹座に学ぶ色々 - Things learned from Cancer -

■第7章 ヒトの潜在能力、未知なる能力 (Contents)

 さて、前章までにおいて、・ヒトはどのようにして生まれてきたのか?(第2章)、 ・ヒトはどのようにして毎日の生活を維持しているのか?(第3章)、・ヒトは何で病気になるのか?(第4章)、 ・病気になったらどうやって治すのか?(第5章)という点について、現代医学的な解釈だけでなく、 私たちヒトが日々の生活を営んでいる地球や宇宙というフィールドまで加味した捉え方でまとめてみたつもりです。 (筆者の独り言:まだまだ抜けが多くて、私の考えがうまく伝わるかどうかわかりませんが... 後々修正、追加していきます。)
 特に、第5章の”治療法いろいろ”を見ていただくとわかるように、私たち(特に日本人)の常識からすると、こんな方法で治るわけがない! と思うような治療法が現実に存在していることに驚かれた方も多いのではと思います。(筆者の独り言:日本においては、国民皆保険制度でアロパシー医学第一主義が当たり前のように浸透しているので、 私達はよほど医療の歴史諸々に興味が無いと、他の治療法の存在さえも知りえない!というのが現状です。この無知は、成人3大疾病による死亡率が伸び続けている昨今において、 相当のディスアドバンテージだと思います。)
 ヒトは、病気になって当たり前の環境において(第4章参照)、恒常性維持機能や免疫システム(第2、3章参照)をフル活用することにより、うまく病気をかわして生きているのです。 運悪くかわしきれずに病気になってしまった場合などに、あえなく医療のお世話になるわけですが、第5章で紹介した治療法はいったいどのように私たちの体に作用しているのでしょうか?

・風邪をひいて抗生物質を服用しました。
 →では、抗生物質の抗菌作用が風邪の症状をすべて消し去ったのでしょうか?
・アレルギーの治療に、ホメオパシーのレメディを用いました。
 →非常に希薄な物質はどのような作用をするのでしょう?
・肩こりの治療に、東洋医学の鍼を行いました。
 →細い鍼による刺激がどのようにして肩こりの不快な症状を軽減させるのでしょう?
・口腔の病気で口の中には穴が開き、顎の骨にはひびが入って膿瘍と肉芽が出来、マインドキュアーの治療を受けました。
 →外科医も匙を投げた器質的疾患が治ってしまいました。何が起こったのでしょうか?

 ヒトが病気になって治癒に至るメカニズムは、実に神秘的で多大な可能性を秘めています。考えれば考えるほど奥深く、実に摩訶不思議なものなのです。

 本章では、未だメカニズムがはっきりしていない治癒のメカニズムについて触れ、ヒトの持つ潜在能力や未知なる能力を考え、また、それを発揮したりブレーキをかける要因について考えてみようと思います。


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◆ものもらいと柘植の櫛、イボとり

 なぜ病気が治るか?というテーマを考察する際に、民間療法の滑稽なエピソードを取り上げることが出来ます。
 これは自分自身の体験です。小さいときに汚い手で目をこすったりした後にものもらいが出来て、瞼がぼこっと腫れたことが良くありました。家の奥の仕事場に行くと (余談:筆者の家は、昔洋服屋を営んでいました)、ひいおばあちゃんが縫い仕事をしていて自分の腫れた目を見てこう言います。「ものもらいが出来たね〜。おばあちゃんの膝に横になりなさい。」 ひいばあさんは棚から柘植の櫛を持ってきて、お経を唱えながら畳と櫛を擦り合わせます。そして、摩擦熱で少し熱くなった櫛を腫れたものもらいにちょっと着けるのです。すこし“あちっ!” という感じですが、ただそれだけで、痕が残ったり、腫れの中にある膿を強引に出したり、ということは一切ありません。でもこのおまじないを受けると早い時で翌日には、遅くても2、3日が経つと きれいに治ってしまいました。
 参考文献[人はなぜ治るのか(アンドルー・ワイル著)]でも、イボとりの話題が紹介されています。イボとりの方法は、@近所のイボとり名人に触ってもらう、A植物の汁を塗る、 Bじゃがいもの破片でイボを擦って、その破片を月齢の特定の期間に特定の木の下に埋める、というような実に一貫性の無いものばかりだが、多くの人がそれらの方法によって翌日や数日後にボロッと イボがとれて再発も無いという立派な成功体験をしていることが述べられています。
 ものもらいは、瞼に黴菌等が感染して炎症を起こした状態で、イボはウィルス感染による組織異常に伴う角質増殖の強い器質性の皮疹です。ですが、おまじないとしか言い様の無い行為を受けただけで 事実上瞬間的治癒に近い治り方をすることが非常に多い、という事実があるのです。
 この背景にある共通的な事項として、これらのおまじないを“効く”と信じていることが挙げられます。自分も小さい時を回想すると、柘植の櫛をあててもらう時は、ひいばあさんに何の疑いも無く、 素直に信頼を寄せてお願いしているのです。
 では、なんでこんなことが起こるのでしょうか?医療界において、このような現象の背景には次節で記すプラシーボ(プラセボ)反応があるとされています。次節でこの内容について説明していきます。

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◆プラシーボ(プラセボ)反応

 ”プラシーボ”とは、「人を満足させる」というラテン語とのこと。医学用辞典の定義では、「患者を益することはなくても気休めになる薬の通称」とあり、例えると、 処方の必要性がない患者が薬を欲しがった時に、その患者を満足させるために与えられる本物の薬に酷似した砂糖錠等の不活性物質を指します。 [参考:人はなぜ治るのか(アンドルー・ワイル著)] 一言で言うと、偽薬のことです。
 新薬の効能を臨床において試験する方法として二重盲検法というものがあり、この時にプラシーボが用いられます。二重盲検法とは、下記の様な方法です。

(1)新薬の薬理作用を確認するために、被験者の集団の中の特定人数の患者さんに対して新薬を投与し(A群とします)、他の患者さん達(B群とします)には プラシーボを投与します。
→プラシーボには薬理作用はない為、薬理作用が目的とする効能がちゃんと現れたとすれば、A群の集団が、B群の集団に対し有意差を持って、効果が実績として観察される筈です。
※しかしながら、患者さんの中にも、A.症状の軽-重、B.薬が体質的に効きやすい-にくい、C.薬に対する期待感等のバラつきがあって誰が本当の薬を飲んだか予めわかって しまっていると、本当の薬理効果で症状の差が現れたのか、他の要因が作用したのか分からなくなってしまいます。

(2)これを補う為にこのテストは、@投与される患者さんも、A投与する医療スタッフも、テストが終了するまでは誰が薬を飲んで、誰がプラシーボを飲んだか わからないように行われます。 この、@患者も、A医師もと二重に目隠しをされた状態でのテストということが”二重盲検法”の名の由来です。

 さて、上記のようなテストを行うと、患者さんの中にはプラシーボを投与されたのにも関わらず、例えば「新薬のテストです!」と医師に言われたことから、 「(きっとこの新薬ならば病気も治るかもしれない!)」という期待感が影響したのが理由か? 原因は定かでないが、著しい症状の改善をみせる人が多々現れるという現象が 実際に起こります。 これは一般的に”プラシーボ効果”と呼ばれています。しかし、本HPの参考文献の著者であるアンドルー・ワイル氏は、これはプラシーボが患者に施した 効果ではなく、プラシーボを飲んだにも関わらず「(きっとこの新薬ならば病気も治るかもしれない!)」という患者自身の心因的な作用が症状の改善を引き起こしているという ことから”プラシーボ効果”ではなく、”プラシーボ反応”と呼ぶべきだと提唱しています。私もそう思います。
 医師や、製薬メーカーは、このプラシーボ反応は薬理作用の裏づけを邪魔するものとして軽く扱い、あたかも病気の治療には一切関係ないものといわんばかりの考えを持つ人も 少なくありません。
 しかし、ちょっと待ってください! 患者さんとしてみれば、どんな方法を治療者が用いたにせよ”治りたい!”のが目的であって、プラシーボを服用したにしても症状が改善した ならば万歳!なのです。
 「なんだ、プラシーボか...」と軽視すべき問題ではなく、この反応がどのようなメカニズムで、如何にして引き起こされるか?もっともっと研究されるべきテーマだと 思うのです。

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◆プラシーボ反応とノシーボ反応

 前節で紹介したプラシーボ反応ですが、どのくらいのパワーを持っているのでしょうか? かなりのパワーがあるということが、さまざまな症例において報告されているようです。
 ここで話に入る前に、この節の題としたプラシーボ反応とノシーボ反応について簡単に説明しておきます。
 プラシーボ反応は前節でも触れましたが、要は偽薬反応のことで、治りたい!と強い信念を持っている患者さんに対して、
@「新薬が開発されました!」などのコメントを通じて偽薬を服用させると、本来は薬理作用の無い不活性の薬でも治癒に至ったり、症状が緩和するといった反応が起こること
A偽薬だけでなく、「この新しい治療法を行うことで、症状の改善の可能性が極めて高い!」などのコメントを通じて、何の改善根拠も無い治療法を行っても、 患者さんが治癒に至ったり、症状が緩和するといった反応が起こること
 というような、良好な効果が発現する偽薬反応を総称しています。

 一方ノシーボ反応は、プラシーボとは逆に
@本当は何の病気も発現していない患者さんに、「重篤な病気の前兆があります」とかマイナス要因の刷り込みをすることで本当に体調不良になるといった反応が起こること
 というような、マイナスの効果が発現する偽薬反応を総称しています。

これら、反応の例をいろいろ調べてみると、実にたくさん事例があることがわかってきます。

 Webのリンクのほんの一部ですが、参考に下記URLを貼付しておきます。
(1)(プラシーボとノシーボ 加茂整形外科医院 加茂淳 氏  執筆のサイト)
 ↑ このリンクでは、関節鏡下デブリドマンという郭清手術が、プラシーボ反応と差が無いという科学的報告や、ノシーボ効果によって人が死に至ったという実験例などが 紹介されています。

 また、本HPの参考図書[人はなぜ治るのか(アンドルー・ワイル著)]の中にも、下記のようなプラシーボ、ノシーボの事例が記載されています。

(1)「ヴードゥー死」(ノシーボ反応の事例)
 いくつかのシャーマニズムの世界で見られ、シャーマンがそのシャーマンを信仰する人に対し呪いをかけると、呪いをかけられたと知った信仰するひとが、 健常な状態であったにもかかわらず床に伏せ、1〜2週間の内に死んでしまう現象

(2)「何年もの間、全身のイボに悩んでいた患者の治癒例」(プラシーボの事例)
 イボの標準的な切除法などの処置を受けながらかえってイボの数が増えてしまった、というような何年もの間イボで悩んでいた患者に対し、 新しい治療法ができたと偽のX線照射装置による治療を施したところ、翌日には治癒してしまった事例 (患者さんには、X線はまったく照射しないが、 治療中はビーという照射音を聞かせて治療を施したと錯覚させた)

(3)「ウィルス病に効く抗生物質」(プラシーボ反応の事例)
 抗生物質は細菌感染疾患には効果を発揮しますが、ウィルス感染疾患に対しては全く効果がありません。これは、現代医学において立証されている真実です。 ところが、ウィルス性の咽頭炎に対し抗生物質を服用した患者が48時間以内に炎症が収まったというような事例が山とある。(アンドルー・ワイル氏自身の臨床データより) 我々や医師が、抗生物質という薬に対する強い信仰が生み出すプラシーボの好例として紹介されている。
→このことについては、皆様も病院で経験しているはずです。風邪の原因はほとんどウィルスですが、医者に行くと粘膜の検体検査などほとんど行わずに抗生物質が処方されます。 本来ならば、細菌感染が確認されなければ抗生物質の服用は全く意味がありません。(検体検査して結果が出るまでに1週間近くかかって、 結果を見てからとは言ってられないのが現実のようです。)でも、薬を飲むとやっぱり症状はよくなりますよね。不思議です。

 まだまだ、調べれば調べるほど事例はどんどん出てきます。
このように、人の心理的な影響ははかりしれないものあるのです。また、心理的要因から誘発される肉体の振る舞いも、時には信じ難いパフォーマンスを発揮するのです。

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◆火渡りセミナーの不思議

 前節ではプラシーボ反応とノシーボ反応を取り上げて、人の心が誘発するパフォーマンスの凄さについて触れてみました。この心が起因する神がかりな力について、 本HPの参考文献[人はなぜ治るのか(アンドルー・ワイル著)]には、火渡りの儀式が紹介されています。これは、私が幼年の頃、某テレビ局の”○曜スペシャル” という特番の中で(番組名の記憶は怪しいが...)火渡りセミナーに関して取り上げられていたのを見た記憶があり、まさに話題が一致するので、 本HPでも取り上げてみることにしました。

 私が幼年期に見たテレビの特番は、下記の様な内容でした。
(1)アメリカのとある自己啓発セミナーの学校に取材が入るというドキュメント番組です。
(2)何事を行うにも自身が持てない人々がその学校に入学するのですが、歌を楽しく歌ったり、任意のテーマに関して自分の意見をPRしたり、 といったような様々なプログラムが用意されています。
(3)そのセミナーの一番最後のカリキュラムが”火渡り”です。
(4)受講者は、一連の厳しいカリキュラムを自らクリアしてきたという実績を確認し、それから更に”出来る!”と確信することで、燃える木炭の道を3mほど歩くという 最終関門をクリアしようというものです。
(5)まず、参加者が楽しい歌を歌ったり、踊りを踊ったりして心を高揚させ、これから火渡りをする準備をします。セミナーの講師の先生も受講者に面と向かって、 ”あなたならば出来る!”と確固たる信念で向き合い、受講者の”出来る!”という心の確信を導きます。受講者の人もためらいがちな人もいますが、 覚悟を決めて火渡りに挑みます。
(6)受講者は性別、年齢も様々ですが毎回ほぼ全員の受講者がこの火渡りを成功するとのこと。
(7)また、不思議なことに受講者は6〜7歩位は燃える木炭の上を歩き、少なくとも片足が3回以上は700〜800℃近い温度に0.6〜0.7秒接触するのですが、 火傷をする人が出ないのです。

 また、ワイル氏の著書には、日本の寺院で行われる火渡りや、シンガポールのヒンドゥー教寺院の火渡り、スリランカの火渡りなどが紹介されていますが、 火渡りの行為については共通しています。
 ワイル氏の著書の中では、何で火渡りをした人がやけどをしないのか?という疑問に対し、科学者がその理由を説明した事例がいくつか紹介されています。 @火渡りの熱によって出た汗が蒸発して空気の皮膜を作り、焼けた炭からの熱を絶縁する、A熱したフライパンに水をたらすと、すぐに蒸発せずにしばらくそのままで跳ね回る現象を 説明する、マイクロレイヤーの生成が熱の絶縁に一役かっている、などの諸説があるようですが、火渡りをする人の足の温度を実測した実験報告において、焼け石は316℃だが、 人の足は何度測っても66℃を超えることが無く、メカニズムは何であれ既知の物理法則では説明できないと結論付ける学者の事例も紹介されています [J. Doherty, “Hot Feat: Firewalkers of the World,” Science Digest, August 1982, 67-71]。

 火渡りの行為は、私が幼年期に見たテレビ番組では、歌や踊りで精神が高揚した状態において“私はできる!”という確固たる信念の上に火渡りに挑み、その他においても、 @経文を唱えることに集中すれば火傷をしないと、精神鍛錬の決意を持って挑む、A火渡りは女神の徳をたたえる為に行うもので、女神への献身、信仰心の厚い人は、 女神が灼熱の火床を花園に変えてくれるという信念のもとに挑むというように、共通して強い信念の上に行われていることが挙げられます。
 プラシーボ、ノシーボ反応と同様に、心の力は病気に対する治癒だけでなく、ヒトの上皮組織の物理的組成に対しても、科学の物差しでは明確に説明できない神秘的な変化や 反応を誘発するのです。

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参考文献
・人はなぜ治るのか (アンドルー・ワイル 著 上野圭一 訳  日本教文社)
 原著:HEALTH AND HEALING (written by Andrew Weil)
















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